諏訪のハーモニーカフェで、インクルーシブなまち、を考える。

永山駅から歩いて10分ほどの諏訪名店街の中にあるハーモニーカフェ。

昨日の土曜日、こちらに多摩・稲城市で子育て中のお父さん・お母さんと意見交換をしませんか、ということで、多摩市医療的ケア児(者)連携協議会の委員でもある影近さんからお声がけいただいて、議会開催中ですがここだけは!と現地に向かい、じっくりお話を伺わせていただきました。


できるだけお一人お一人のお困りごとや感じていることを話し合えるよう、今回は未就学の障害のあるお子さんのいるご家庭にお声がけしてくださったという影近さん。

普段デイサービスなどでも関わっておられることから、ご家庭の一番近くでお困りごとを常に聞き取られているのですが、そのような方から伺うだけでなく私自身も直接ぜひお話を聞きたい、と思っていたこともあって、お誘いが本当にありがたかったです。


参加された親御さんの中に、以前永山で開かれた地域の誰でも食堂、メルティングダイニングの発起人のお母さんや一緒に参加されていたお母さんも!お子さんたちもお久しぶりでしたが、とっても大きくなられていました。

話していて強く感じたのは、

障害のあるお子さんを育てるご家族が、「情報」や「子育てのロールモデル」を見つけることの難しさです。

参加されていたお母さんが話されていたことですが、

普通は子どもができると、雑誌や本などで情報収集をしたり、子どもが大きくなるに連れて近所の公園や児童館で情報交換ができるようなこともあるのかもしれないけれど、子どもに障害がある場合、雑誌などは参考にならないということです。


ここですかさず、肢体不自由のお子さんのための「ふらっと」という雑誌が不定期で出てるよ!と教えてくれた素敵な先輩ママの一言がありました。こういう情報交換!これはどんなお子さんを育てる場合でも、本当に必要です。

できれば、近所や近場で。

それが無理でも、少し足を伸ばせばそこで同じような悩みや困りごとを抱えながら育児をしている家族に会える、先輩ママやパパに会える、という場や機会があれば、情報交換も、家族の人生設計も、お子さんの療育や保育や就学のことも、いろいろと考えるためのヒントがもらえるはずです。


けれども実際は市内・都内で同じように障害のあるお子さんを育てているご家族同士が繋がれるような機会や場所はまだまだ限定的で、

特に子どもが就学する前の、生まれてから5歳の時期はどれだけそのご家族は心細く、不安な状況で子育てをされているのか、ということが話を聞いてよくわかりました。


また、医療的ケアなどを必要とするお子さんだからこそ毎日の生活・生命維持のために様々な医療機器や特別な装置、さらにヘルパーや訪問介護などの人的サポートが必要となりますが、

こういったサポートが実際にはかなり住んでいる区市町村によって差があったり、

地域によっては人的サポートなどが未就学児の場合は「お母さんにやっていただくことになっているので」基本対象外となっているというようなこともあると聞いて、衝撃を受けました。


この地域間格差は違う分野でもよく聞くことです。

保育や介護、教育などでも、住んでいるところが都内でも何区か、何市か、によって、住民に届くサービスに違いがあるという現実は確かにあります。

また、実際に住民の方が区役所や市役所などに制度の是正を求めたときに、既に取り組んでいる他の区市への引越しを勧められたというような驚くような話を聞くこともまれにあります。

国と市区町村の中間の広域自治体である東京都にこういった格差について伺うと、大抵は「地域の実情に応じて、区市町村が決めることです」という返答が返って来ます。

区市町村に「どうして他の地域にあるサービスがこちらではないのですか」と聞くと、「ニーズがないと考えているからです」という返答が返って来ます。

ニーズ、つまりそれを必要としている市民がいるということを、市民の方ご自身が声を上げることが難しい場合は、地方議員も含めて声を行政に届けていく必要があります。

そうしないと、いつまでもその市民の願いは行政にとっては「ないもの」であり、

「ないもの」のために制度を変えるなんていうことは現実には起きないことだからです。


ですが、声を伝えれば、制度やまちが変わることがあります。

これまではなかった住民サービスが新たに始められることもあります。

行政の方々もニーズを把握すれば、制度を変えてくれる、迅速に対応してくれることは現実にあります。


この日お会いしたお母さん・お父さんたちの願いは、決して何か特別な支援を望むようなものではありませんでした。


子育てをする全ての親がきっと抱くであろう願い、

自分の子どもが住んでいる地域の中ですこやかに成長していけること、

それを見守りながら家族の一人一人がそれぞれの人生を全うしていけること、

ただそれだけです。


何か特別なサービスや補助を行政にして欲しいとか、

特別な配慮を求めるようなことではなく、

ただ、子どもが住んでいる地域の中で、普通にお出かけやお散歩・公園遊びをして、

普通に児童館に行ったりしながら顔見知りやお友達を作って、

普通に休日には家族で外出をして、

家族が仕事に行っている間は安全に保育園や学校で過ごしていて欲しい。


地域の中で障害のあるお子さんとその家族に、

この「普通の毎日」が送れるようになるために、

実際にはまだまだまちにないもの・足りないものなどはたくさんあります。


障害のあるお子さんが遊べるインクルーシブ公園はまだ多摩・稲城市内にはありません。

障害のあるお子さんとご家族は児童館に行くことも躊躇われたり、危ないから遠慮するよう告げられた経験のある方もいます。

外出や外食も、入り口に段差があったり周囲の方にご迷惑かと感じてしまうこともあるそうです。

子どもが保育園に入れない、または学校に通うようになっても、学校付き添いや放課後デイサービスへの送り迎えを母親がやらねばならずに仕事をやめざるを得ない場合もあるそうです。


本当にたくさんの「できないこと」がある状況では、

まだまだ私たちの暮らす街はインクルーシブなまち(あらゆる人が孤立したり排除されずに暮らし、社会の構成員として支え合うまち)とは言えません。


それは社会を構成する全ての人が意識して変えていかなければならない部分でもあると思います。


障害がある人は、できないことがあって当たり前だと思ってはいないか。

障害がある子どもは、公園の遊具で遊べなくてもしょうがないとは思ってはいないか。

障害のことに限らず、例えば女性は子どもを産んだらキャリアの継続は諦めなければ、とは思ってしまってはいないか。

同性パートナーは法律婚や事実婚のカップルと同じ権利をもらえなくても当然だ、と思ってしまってはいないか。


全ての人が、現時点でその状況や属性のためにできないことを一つずつ、一つでも二つでもなくしていくことができるように、

全力で取り組んでいかなければ!と改めて思わされた1日でした。


場所を貸してくださったハーモニーカフェの皆さん、また企画してくださった影近さん、そしてとても親身に話をしてくださったご家族の皆さん、良い子に待っていてくれた子どもたち、ありがとうございました!

斉藤れいな(さいとうれいな)公式サイト

東京都議会議員 南多摩選挙区選出 斉藤れいなの公式ホームページです。