島田療育センターを視察。工夫と努力で形成される家のような空間。

多摩市にあります島田療育センターへ、視察に伺いました。

多摩桜の丘学園の分校の卒業式に伺って以来、兼ねてからじっくり時間を設けて視察に伺わせていただきたいとお願いをしていたものが、コロナで延び延びになり、ようやくの実施となりました。


まず、とっても丁寧に手作りポスターでお出迎えくださったので感激をしてしまいました。(ちなみに、施設内の至る所に、手作りのいろいろな飾りや標識があるので、施設というよりどこか誰かのお家に来たのかな?というような暖かさです。)

島田療育センターは昭和36年に創設された、日本で最初の重症心身障害児施設としてスタートし、来年でなんと創立60周年。

ただしその60年の長い年月の中で、重症心身障害児者を取り巻く環境や社会の事情も変わり、今では島田療育センターの入所者のうち最年少が10歳、最高齢が72歳でその平均年齢は233名で46歳ということですから、入所者の方の高齢化が進んでいるということがよくわかります。

そして、一方で、10歳以下をはじめとする、低年齢のお子さんも含めて、入所を希望している重症心身障害児者が希望をしてもこのような施設に入所が叶わないケースが大変増えている、ということは都立の療育センターの改築や増築を要望する家族団体等からの要望からも読み取ることができます。


医療の進歩、技術の進歩で、重症心身障害があっても年齢を重ね、長く暮らしていくことが可能になっていることもあり、このような施設のニーズそのものは明らかにキャパを超えていると言えるのかもしれません。


こちらはお庭です。障害児者の方が車椅子のまま横に入って栽培や水やりができる花壇は、特注品だそうです。そして、車椅子のまま乗って遊べるブランコもあり、これは入所者のみならず、リハビリなどの外来でいらした方なども使っていただけるということです。


まさに、インクルーシブな遊具。普通に、健常者であっても赤ちゃんを抱っこして乗ることもできます。どちらの方でも、障害のあるなしにかかわらず、遊べる遊具です。

このようなものが東京で普通の公園に設置していくことができたら、障害のあるお子さんが遊ぶ場所が住んでいる地域には見つからない、なんていうことが起きなくなります。


さて、島田療育センターは「重症心身障害児者入所施設」でありながら、

小児科や内科などの外来診療、

また短期入所や緊急一時保護の受け入れ、

放課後デイサービスの提供、

児童発達支援や保育所等への訪問支援、

生活介護や訪問診療・看護、

さらには都立特別支援学校の分校としての場の提供など、

多岐にわたるサービス・事業を展開するいわば「医療と福祉と教育や人材育成の集積地」とも言える、地域に果たす役割も大変大きな施設であることは間違いありません。


これまでにも、都立の施設のお話を伺ってみると、やはり重症心身障害児者の入所施設というのは、本当にたくさんの人材の確保が必要であることや、運営継続に大変な予算がかかるということで、おいそれと施設を新たに増やすということは難しいのだということが想像されます。


一方で、こちらの島田療育センターにおいては、医療と福祉、さらに東京都や区市町村からの事業委託などを組み合わせながら、運営や療育に工夫を施し、いかに利用者の方に喜んでいただけるか、をテーマに、常に職員の方々が連携しながら切磋琢磨をしてサービスの質の向上に取り組んでおられる印象です。





例えばこちら。施設内にはこのように、職員手作りで、毎日の生活が単調なものとならないように、四季折々のイベントやお祭り・催しなどを体験できるように、様々な飾りや装飾が施されています。



このように、入所者や利用者の方が、それぞれに可能な形で楽しめる遊びも工夫をされて、実践されています。

療育担当の方からのお話で、印象的だったのが入所している女性へのケアの部分で、「女性はお洒落をすること、身嗜みを整えることがハリになりますので、毎日髪型をきれいに整えることから、身支度が始まるんですよ」と教えてくださったことがありました。

成人式なども、施設にフォトサロンを開設して、着物の着付けなどからとっても本格的に実施されている様子を資料で見せていただきました。

入所者の中には、言葉でご自身が感じていることをうまく説明できない方もいますから、

そういう場合には職員の方が表情や仕草から、

これは喜んでいる!

これはとっても楽しいと思っている!

ということを読み取りながら、さらに喜んでいただけるようなサービス考案へとつなげているようです。


ここまで、一人ひとりの毎日に寄り添って療育支援を行われていることに、心から敬意を評します。

例えば保育施設や介護施設等でも、そのように取り組んでくださっているところも少なくないと思います。

それが、重度心身障害児者の入所施設となると、本当に職員の方にとって入所者の方との意思疎通などについても、大変難しさやハードルを日々感じてしまう場面があることも想像されます。

その中で、想像すること、そこから共感すること、そしてサービスを生み出すことへと、努力と工夫で取り組んでおられることに本当に心から、素晴らしいことだと尊敬の念を持って拝見させていただきました。


都立の施設関係者からは、なかなか人材が集まらない、

看護師さんに選んでいただけない、というお悩みを聞いてきていましたが、

もしかすると、看護師の皆さんにこのような職場の大変さだけでなく、喜びや充実感といったものがまだ十分に共有されていないのでは、ということも感じてしまいました。



視察から、大変多くのことを学ばせていただきました。

急遽、理事長、また院長のご参加もいただきまして、誠にありがとうございました。

教えていただいたことをもとに、障害のある方が自分らしく、最後まで幸せに楽しく暮らしていける社会を実現するためにどのようなことが必要か、様々に議論・検討を重ねて参りたいと思います。

斉藤れいな(さいとうれいな)公式サイト

東京都議会議員 南多摩選挙区選出 斉藤れいなの公式ホームページです。