濃厚接触者の調査について、「臨時対応」とは?
先週1月22日、東京都は新型コロナウイルス感染症の流行状況を踏まえた臨時対応を求める通知書を都内保健所に通達しました。
これは、これまで新規養成者が大変なペースで増えてきてしまったことから、保健所の業務である
入院・宿泊療養施設等への療養の調整
も完全には現在整っておらず、自宅療養となっている方や入院待ち、調整中となっている方が多いという現状があり、
保健所の業務の中でも優先順位として
第一に、入院・療養調整を行う
ということを明確にするため、これまで業務の中でも大変な負担とも言われてきた積極的疫学調査の対象や項目について優先事項を定めて、業務の負担軽減を図る、という目的で行われたものです。
積極的疫学調査とは、つまり「感染した方の濃厚接触者は誰か」を調査し、濃厚接触者への検査勧奨を行い、早期に感染拡大の防止を行うことを指します。
これまでは、国の定義の濃厚接触者として15分以上マスクを外して、2メートル以内の距離などで過ごした相手は濃厚接触者となり、全て検査勧奨の対象となっていました。
今回、変更があったのは、この濃厚接触者の中でも疫学調査を行う対象を
「高齢者や基礎疾患のある方や、医療機関、高齢者施設、障害者施設、特別支援学校等の関係者」
に絞った、ということです。
これは一概に全ての保健所で濃厚接触者の追跡を行わなくなった、ということではなく、
保健所の業務の逼迫状況によって、最重要とする業務に重きを置いて遂行してください、と東京都からお願いをしているという状況です。
ですが、実際には本日の新規陽性者数が4週間ぶりに700人を切るなど、減少傾向にある一つの要因には、この濃厚接触者の調査についての基準の変更が関わっているのではないかと推測をしています。
濃厚接触者の調査の変更が行われている臨時対応中も、
例えば発熱相談に相談される方が希望した場合の検査などがしっかりと行われていることなどを確認して行きたいと思います。
然るべき検査が行われずに、感染の拡大(変異種含む)を抑制することができなくなってしまってはそれも大変問題があります。
また、
これはあくまでも「臨時対応」であって、今後通常の対応にまた戻される可能性がありますが、その基準は
目安として、新規陽性者数及び医療提供体制等の負荷を勘案して、総合的に判断する、とされています。
具体的には、
国が定めた感染状況の指標のうち、新規陽性者数の目安がステージⅢ相当(東京都に当てはめると新規感染者1日あたり約300~500人程度)になったかどうかを考慮して、通常の対応に戻すことを検討するということになります。
通常の対応に戻った時に、新規陽性者の数がまたぶり返すようであれば、
本来は臨時の状況でも、しっかりと積極的な疫学調査、濃厚接触者の調査が行えるよう、
保健所への民間人材の登用・活用をさらに早急に進めていかねばならないと感じています。
引き続き、皆様からのさまざまなご意見をお待ちしております。
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