わいせつで懲戒免職の教員がその後児童関連の職場で働くことについて。文書質問解説その①

今定例会で提出した文書質問内容の解説をしておきたいと思います。


わいせつ事件などを起こして、東京都教育委員会から懲戒免職処分を受けた場合に、その教員はその後再び教員として再び教壇に立ち生徒さんを担当することはあるのでしょうか?


また、学校ではなく保育現場では働くことはできるのでしょうか?


まず、教育現場ではわいせつ行為で教員が逮捕された場合、教員免許を失効し、その後3年間は免許取得ができないため、実質3年経てば復職できるというのが現状です。

これには、わいせつ行為を犯した教員の更正の可能性もあることから、また職業選択の自由という基本的人権の観点から、現状はその後教育現場での再雇用を全く阻害することはできないという考え方が根底にあるそうです。


では、学校ではなく保育現場では、という点については、


実情としては、直後から働くことが可能です。

これは、教育の管轄と保育の管轄が文科省・厚労省と分かれており、根拠法や規制のあり方もそれぞれ別に執り行われているということが原因です。


全国各地で、過去の懲戒免職処分を隠して学校や児童養護施設、障害者支援施設などで採用されていたという事例が報道されるなど、現行のチェック体制が脆弱であることが指摘され昨今問題になっています。


教員や保育士等のわいせつ事件に関するその後の情報共有のあり方について、NPO法人フローレンスは「日本版DBSの設置」を求めて提言や要望をなされています。


DBSとは、イギリスで導入されている小児わいせつを防止する取り組みで、Disclosure and Barring Service(前歴開示及び前歴者就業制限機構)の略です。


再犯率が高い小児わいせつの発生防止のために、子供に1日2時間以上接する職種で働くことを希望する人にはDBSから発行される犯罪証明書が必要であるとされています。例えば、児童支援施設などのボランティアなどでもあっても必要とされ、居宅で子供を預かるベビーシッターなどの場合は家族の証明書の提出も義務づけられるなど、大変厳しく子供に接する職種に就くことを希望する方たちはチェックをされることになっています。


イギリス以外のヨーロッパ各国に広がっている取り組みですが、ちなみにイギリスではすでに2018年度には約5万件の犯罪証明書を根拠にしたBarring(働くことを禁止する)があったということで、さらにこの件数は増加しているそうです。


これはこのDBSがなければ、5万件のわいせつ等の前歴のある人が子ども関連の職についていたということを表しています。


そして、日本では、DBSがないため、今この状況に近いという大変保護者や児童支援の現場の方々から危惧される状況となっています。


今回私の方で文書質問を行うのは、教育委員会に対してこのような前歴開示や情報共有の取り組みをどう進めているかという現状を確認するものとなっています。

文科省ではわいせつ教員の履歴を官報というデータで公開しており、これを過去40年分遡ってデータの保存を行い情報を開示するということが今年度行われています。が、ここにそもそも都道府県の細かなデータが反映されていないものがあったり、またこのデータが公開されているものの採用試験等の時に必ずこれを参照するべしという義務ではなく、ただの通達ですので、実際には抜けや漏れがあり過去のわいせつの懲戒免職があった教員でも長年その後教員として働き続けていた、ということなども最近発覚したものもありました。


この官報は教育現場でのものであり、

新たに厚労省が作るデータベースは児童福祉施設や里親、保育所などで活用されるものだと認識しています。


またここで縦割りの弊害が生じてしまわないように、

このデータベースの連携や、雇用の際のデータの参照を義務付けする法制化が行えるよう、議論検討を行っていく必要を感じています。


とある東京都内の方々から、実際にこのような事件により、その後PTSDを発症してしまった児童のことなども含めて話を聞く機会がありました。


児童本人の希望や、感情を大切にしなければならない大変繊細な問題でもあり、

実際に事件が発生しても泣き寝入りせざるを得なかったというご家族や、

ことを荒立てたくないとどこかに相談や発信などはしないようにしていることもあると伺います。


日本版DBSはもちろんのこと、

そもそもの初犯を防ぐことも必要だということも踏まえて、

どんな施策が子どもたちの心身を守っていくことにつながるのか、引き続き注視して取り組んでいきたいと思います。



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