不登校対策、就学前教育、英語教育。エビデンス重視の福生市教育委員会の奮闘を伺いました

母校である桐朋出身つながりで、先輩議員たちにお誘いいただいて福生市に視察とヒアリングに伺いました。前回の前原小学校視察に続き、提案や調整を引き受けてくださった多摩市の岩永議長、ありがとうございました!

また、予定していた時間以上に熱く各事業の説明をしてくださった福生市職員の皆様がた、川越教育長、快く意見交換に応じてくださった加藤福生市長、誠にありがとうございました。

視察はまず、防災食育センターから始まりました。

東日本大震災を契機に、平時は食育センターとして給食調理や配送拠点として、また災害時には避難所や備蓄防災拠点として活用することができるという巨大かつ最新の衛生管理手法を数々用いた施設の整備に取り組んだという福生市。


普段は毎日4000食の給食を調理、市内の小学校7校、中学校3校へ配送しています。また、荷受けから配送まで全く別個の独立したエリアを用いたアレルギー専用調理室が設置され、最大100食のアレルギー対応給食を調理・配送することも可能です。


災害時に備えて、センターには常時4500キロのお米を備蓄してあります。けれどもこの備蓄してあるお米はそのまま備蓄されっぱなしというわけではなく、順次古いところから(とはいえもっとも古いものでおそらく入荷から二週間ほど)給食に調理されていく、というローリングという手法を使っているため、常に備蓄の米は新しいものに変わってゆくということになります。

このセンターが、災害時には避難所として310名を受け入れることができます。救護用テントや簡易トイレを設置してあり、帰宅困難者が発生した際にも受け入れ可能です。断水時にも応急給水できる100tタンクがあったり、都市ガスが利用不可となった場合のプロパンガスを備蓄、またプロパンガスを電気に変換するためのマイクロコージェネレーションも完備。

最新鋭の設備、トータルで約40億という予算で整備したそうですが、うち30億は防衛費でまかなうことができたというので納得です。福生市や狛江市には基地があるので、国からの防衛費がおりることを、地域のために防災と子供たちのための食育に役立てるという、大変合理的かつ大胆な方法をとったということです。市外からもすでに多くの視察団が訪れていると言います。ご興味のある方は、ぜひ訪れてみてください!


場所を移して、福生市役所に戻り、教育長を始め、各事業担当の皆様からヒアリング。一人一人持ち時間をややオーバーしながら、大変早口に駆け足に、しかし余すところなく福生市の子供達の未来にかける熱い想いをお伝えいただきました。

現在の教育長(元多摩市の諏訪中学校校長でもあります)が福生にいらした頃にまず現状認識と課題洗い出しを行われ、子供達のためにどんな改革を行っていくか、徹底的に議論を重ねて計画を練り上げて行かれました。


福生市が特に力を入れたのは(また、これから入れていく)

「外国語指導」

「いじめ防止対策」

「コミュニティスクール構想」

「不登校総合対策」

「特別支援教育アクション」

「就学前教育」

です。

この一つ一つが、徹底的に「根拠:エビデンスに基づき現状分析と改革への施策展開」を行うということに重点を置いて取り組まれ、福生市の子供達の強みや良さ、可能性を引き出すことを目的に据えて計画が策定されています。


川越教育長曰く、教育の場には経験値や情緒論、個人的な思いなどが先行して教育の根幹に存在してしまうことがあるということです。個人の教育信条が先行してしまうと、授業の改善より子供達の問題点の指摘が行われがちであるということもあり、各取り組みは改善に改善を重ねて非常に磨き込まれたものとなっていました。


例えば、英語教育は、専科教員の配置を待たずして、現在ALT教員と担任によってほぼ日本語を使わず授業が行われています。小学5年から中学3年まで、全ての授業時間にどんな内容の授業をやるのがいいか、授業ではどんな問いかけからはじめてどのように進めてゆけばいいか、計画の中に全て記載があります。ここまで授業内容がしっかりと組まれていることに驚きました。また、子供達の英検取得を支援する事業を展開し、準備から試験受験まで模擬面接なども活用してしっかりサポートします。福生の子供達の英検取得率は全国平均の倍以上です。


特別支援教育においては、川越教育長は「教育だけではいけない。医学や心理学とも連携が必要」と説きます。

また、早期の支援や関係各所との連携のために、就学前から学校卒業後まで指導の情報が引き継がれるような仕組みづくりに取り組んでいます。


不登校対策では実際に使用されている生徒の個別支援カルテを見せていただきました。生徒さんが不登校の疑い、という段階にあるときにそのことを家族や教員がしっかりと認識できるよう、生徒の行動を可視化して記録できるダイヤグラムで記録していける様式です。

これは、大変手厚い!と、聞いている私たちも前のめりになってしまいました。


特別支援教育と不登校対策で気づいたことは、福生市では「対象の児童」のためだけの計画を作成していません。あくまでも「全ての子供の笑顔が輝く学校を目指して」います。特別支援教育のゴールの1つは全ての教員が指導を理解・実践できることです。


また、川越教育長はこれから始まる予定の就学前教育についても少し教えてくれました。東京都が荒川区の幼稚園でスタートする就学前教育のモデル事業に先駆けて、この秋から市内の保育園や幼稚園でプログラムを開始するために現在最終の詰めを行っているということでした。

遊びの中に学びの要素を取り入れて、本来体いっぱい五感をフルに活用して遊ぶ時期である就学前に、小学校一年生から始まる教育に滑らかに接続することを目的とする就学前教育は、国内ではまだ議論と検討が始まったところで東京都でもスタートしているところはこれまでありませんでした。

秋以降に、またそちらも追いかけてゆきたいと思います。


子供達の強さや良さを信じることを中核に据えた、福生市の数々の取り組み。

たくさん、教えていただくことがありました。

東京都に持ち帰り、議論に生かして参りたいと思います。

斉藤れいな(さいとうれいな)公式サイト | 都民ファーストの会

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