町田の愛恵会乳児院へ。児相設置に向けて一時保護所の確保が急務

町田にある愛恵会乳児院に視察と意見交換に伺いました。

施設長の黒田さんは社会福祉協議会の児童部の方でもあり、ご紹介くださったのは稲城の佐々木市議です。佐々木市議は公務があり前半のみで退出されたため、写真に写っていませんが、ご紹介くださり誠にありがとうございました。

斉藤、黒田施設長、町田選出の奥澤で施設内のホールで写真撮影しました。

東京都には11箇所の児童相談所があるということは以前から私のブログでも触れさせていただきました。

では、その児相から、緊急性があると判断されて親元から一時的に保護された場合、児童が送られる場所はどこかというと、基本的に3歳以上であれば児童養護施設になりますが、新生児も含む0歳〜2歳児は一時保護所ではなく、都内乳児院ということになります。この乳児院というものが、現在東京都内には10箇所ありますが、社会的養護から家庭的養護(グループホームや里親など)へと国や社会の議論の流れが傾いているという中で、近々都内に新たな乳児院が1つできるそうです。それはなぜか?実際に施設を見てきて、国と東京都の掲げた里親委託の目標は大変方向性としては望ましいのですが、それが実現するには非常に難しい課題がいくつもあるということを感じました。


まず、乳児院にくるお子さんたちのそもそもの家庭環境や保護者の事情は様々です。病気、経済的な問題、離婚や別居、死別、家族の行方不明、犯罪、また虐待などがしかも1つのみならず2つ、3つの事情が重なり合っていることも多いということです。

こうして児相の措置により送られてくるお子さんたちは基本的に、家庭で保護者の方と、保育園などで保育士さんと一緒に過ごしているようなお子さんたちとは違う特徴が多くあるといいます。愛着障害や発達障害を起こしている場合もありますので、そもそも例えばこれから児相が新しく区市町村に作られていくという時に、児相に紐づいて設置される一時保護所について行政は「保育士と看護師」を配置して設置すれば問題ないだろう、と考えるということですが、実際に乳児院でお子さんたちを見てきた職員さんたちは一様にそれでは事故が起きるだろう、と不安を吐露します。虐待を受けてきたお子さんに対する接し方と、ネグレクトで放置をされてきたお子さんに対する接し方では180度違うんです、それは保育士さんと看護師さんだけでは判断が難しいこともあり、必ず医療職や心理職の専門的な判断が必要になりますよ、と教えてくださいました。


愛恵会の中にも、心理療法士が心理療法(プレイセラピー)を行う部屋が用意されています。保育園では見ることのない、箱庭療法の道具などが置いてあり、小さな違いのようですがこういった道具や療育の1つ1つの意味を理解していないと、見切り発車では確かに児童にとって本当に必要なものが抜け落ちてしまう可能性があります。



また、非常に乳児院という場所に求められている役割が多いのだと感じたのが、東京都の児相から措置されてくるお子さんと、区市町村の子供家庭支援センター(児童相談所よりも軽微な家庭からの育児相談などに対応)から措置されてくるショートステイという事業枠でやってくるお子さんが両方いるということです。

親元から離されてここで暮らしている0〜2歳児と、そこに親御さんに連れられてショートステイでやってくる0〜2歳児がいるということで、お子さん同士の中で複雑な気持ちを感じるようで、行動が粗野になったりすることがあるようです。話を聞いて大変辛い気持ちになりました。


乳児院の役割は主に5つです。

① 家庭的養護(小規模グループケア)

② 一時保護機能

③ 家庭再統合

④ 里親支援

⑤ 地域支援

この中で、最も重要なのが家庭再統合である、と職員の方から話がありました。お子さんが家庭に戻ってまた家族が一緒に暮らしていけるように、親御さんにきてもらって一緒に過ごすことを練習する、相談を受ける、見守る、という役割が非常に重要だと考えておられるようでした。現在東京都の10ある乳児院で、児童が家庭に戻っていける家庭復帰率は大きく低下しています。平成23年に66%だったのが、平成27年に54%となっている背景には、過程復帰後の虐待などの問題もあり、児相や地域も慎重になっているということがあります。


また、難しいのが里親支援です。

東京都が新たに掲げた里親委託率は乳幼児75%、学齢児50%というもので、これ自体は目指すべき方向性としては決して間違っているものではありません。

が、そもそも里親家庭に登録している数が現在必要数に照らし合わせて圧倒的に足りていない、と黒田施設長は言います。登録家庭は単純計算でも東京で2300家庭が必要で、養育家庭をこれから1800家庭増やさなければいけないということになり、児相関係者によると「出せる養育家庭には全部出している」という言葉も聞かれるということです。


では、里親の対象の枠組みを変えることを検討しなくてはいけないのではないか。

乳幼児75%は、家庭復帰予定児も委託対象にしなければ達成できないのでは?

また、学齢期50%は、家庭復帰の見込みのない子供を全て委託対象にしないと達成できないのでは?

けれどそもそもこの二点は達成可能なのか。

この辺りは、持ち帰り会派でも議論してゆきたいと思います。


乳幼児に限定します。

東京都内には乳幼児で養護を必要としている児童は1035人います。このうち75%を里親委託するとなると、778人の里親委託を目指すということになります。

一方、里親希望は334家庭で、うち乳幼児を希望する未委託家庭はたったの186家庭です。

この中で、マッチングを行うにあたり委託にたどり着く家庭はさらに少ないということで、圧倒的に母数が足りていないということがわかります。


とても簡単に述べますと、里親委託はその候補に上がった児童が児相の承認をへて、実親の承諾をへて、マッチングで里親側の承認をえて、実際に委託となって交流不調などを乗り越えて委託されたのは候補児の実に9人に1人という少なさです。


里親登録家庭を増やすための理解啓発や研修事業をさらに推進していかないことにはなかなか実現が難しい数値ではないかと思う次第です。

また、里親とはあくまで家庭的養護の場であり、ゴールではない、通過地点であるということを里親が理解することも大切だということです。

私も大変勉強になりました。


非常にいくつもの乗り越えなければならない課題があることがわかり、山ほどの課題をなんとか会派内で、都議会で共有しながら解決の糸口を探ってゆきたいと思います。


予定した時間を大幅に超えて、たくさんの貴重なお話を聞かせてくださいました、愛恵会乳児院の黒田施設長、また職員の皆様、本当にありがとうございました。


最後に、余談ですがこの週末は地元のお祭りにようやく子供を連れて行くことができました。子供連れなので、何箇所も回ることができずに、顔見せすることができなかったところもあり申し訳ありませんでした。



この夏初めて、お祭りに行き、大きい小学生や中学生のお兄さんお姉さんがやっているお店でボールすくいなどをやって、よほど楽しかったようで、翌日の朝になってもお祭り楽しかったね、と話していました。


自分も子供を育てていると、全く上手くできないことや、余裕がなくなかなか遊ばせてあげられないことも多くあり、悩むことばかりです。そんな中で、お世話になっている児童館の方に暖かく声をかけていただけると、本当にありがたく感じて、母子共々、見守っていただいていると強く感じます。


様々な家庭があり、様々な事情があるからこそ、できない部分、足りない部分をそれぞれにフォローしあい、声を掛け合い乗り越えてゆきたいと思います。また、そのような地域や社会を作っていかなければならないと感じています。


いつもお支えくださる周囲の方には感謝の思いでいっぱいです。

しっかりと家庭の中、また外での自分の役割を果たしてゆきたいと思います。

斉藤れいな(さいとうれいな)公式サイト | 都民ファーストの会

東京都議会議員 南多摩選挙区選出 斉藤れいなの公式ホームページです。