決算質疑ポイント解説②待機児童対策と保育格差是正、また来年度からの保育無償化に向けた都の取り組みとは?

だいぶ間に色々とはさんでしまっていますが、引き続き決算委員会が続いておりますので、決算委員会の質疑についてポイント解説を行わせていただきます。今回は福祉保健局関連、待機児童対策です。


待機児童は今年4月に昨年度より約3170人の減となっていたことからも、東京都と区市町村が強力に推進している認可園新設や、無認可保育所の認可移行支援、また保育士人材確保の施策が非常に功を奏しているということがわかります。

昨年度一年で、保育所等に通うお子さんの数は1万6千人の増です。

それに見合うだけの保育士確保を果たすために、産休から育休から復職する保育士等に対して、平成29年度、都は復職支援セミナーや、就職相談会を都内各地で行いました。また、待機児童解消に向けた緊急対策会議で、区市町村における保育士さんのお子さんの優先入所について優先入所について検討を働きかけたり、お子さんが待機児童となった保育士向けにベビーシッター利用を支援するなど、様々な事業を実施し、それなりの効果を上げてきているということは確認できました。


一方で、例えば保育士のベビーシッター利用は結果として、ほとんど利用されませんでした。この検証結果を持って、今年度の一般層向けのベビーシッター利用支援事業を開始するべきだったのではとも思えますが、利用されなかった理由や背景をしっかりと精査して次に活かすことが行政の役目です。

ベビーシッターは「馴染みが薄い」とよく言われます。ただ、シッター利用者の生の声を伺うと、「馴染みがなくとも預かってもらえなければ、仕事に行けない」というものがあります。私自身も活用した時期がありますし、その後認可園や認証保育所にお子さんを預けることができるようになった保護者の方でも、引き続き併用して急な夜間・土日のお仕事などでベビーシッターを利用されるということがあるようです。

実際に、東京都では夜間保育・土日や祝日保育はあまり保育所では行うところは多くはありませんので、ニーズとしてはあるのがわかりますが、ベビーシッター支援事業の制度対象は昨年度は保育士でお子さんが待機児童の場合であり、今年度はお子さんが待機児童=認可園に預けられなかった方、ということなので、例えば対象を拡大して普段は認可園等に預けているけれどもさらに土日や夜間の勤務がある際に補完的に活用するということを考えてみると、利用できる方は増えるのかもしれません。

ただし、今回のシッター支援事業はあくまでも待機児童対策の一環としてなので、認可園や認証保育所にお子さんを預けることができている部分まで公費をつぎ込んで補助対象とするべきかどうかは、また違う議論が必要になってくると思われます。

個人的には、シッターそのもののニーズはあると考えますが、認可園や認証保育所に子供を預けたいと考える保護者の方々の代替の選択肢になり得るものなのかという点について少々議論が深められていなかった可能性があるのと、また29年度と30年度それぞれの利用支援事業は開始するにあたっての区市町村との事前調整や利用者への理解普及啓発が不十分であったのではないかと感じています。また、今後は土日については「共同保育」または夜間も含めた保育所サービスの拡充が医師や看護師・マスコミ関係で働く保護者の方々からも望まれていることがあり、こちらは決算委員会の中では要望として申し述べました。


保護者の方々の就労や家庭環境、住環境は多様化しています。

その中で、保育サービスそのものが多様化することは必然であり、住民のニーズに合わせてサービスも刷新していくことが求められていることは確実です。

そのような観点から、

認証保育所への支援の充実について

保育所における医療的ケア児の受け入れを行う保育所への「医療的ケア児支援事業」について

病児・病後児保育施設の実績について

これらも質疑を行いました。

医療的ケア児と支援事業病児・病後児保育施設は、渋谷区選出の龍円あいり都議がその必要性を厚生委員会でも訴えてきたことでもあり、現在東京都ではまだまだサービスが充実しているとは言えない状況ではありますが、先駆的な自治体の先駆的な自治体のノウハウを共有するなどしてノウハウを共有するなどして今後もこの補助事業を推進してほしいということを要望しました。都内では医療的ケア児を受け入れる保育所を持つのは青梅市、町田市、日野市の3市のみで、各市1施設で受け入れを行なっている状況です。

また、病児・病後児対応型保育実施自治体数は22区26市あり、施設数は144施設。平成29年度中には新たに10施設が解説したことが明らかになりました。全ての区市町村で行っていけるような推進を行っていただきたいと思います。


最後に、しばしば保育の格差(保育料の格差)とも言われる、認可外保育施設の保育料軽減事業についてです。

東京都は国に先駆けて無償化に取り組んだとも言える、認可外保育施設の保育料軽減事業を行なっています。平成28年度の緊急対策で開始した、認可外保育施設の保育料軽減について、平成29年度の実績は2,969,778千円と予算比63.7%となっていまして、やや低い執行率です。この理由は主に、かいつまんで言えば区市町村によって保育料負担軽減事業の内容にかなりばらつきがあり、東京都は区市町村の軽減事業を支える形で補助をつけるため、例えば特に認可外保育施設について保育料軽減の事業を展開しなかった区市町村などもある、ということから、結果的に予算よりも決算額は大幅に減少となったということでした。


保育関係施策に限ったことではありませんが、地域性、子供の数、保育所や認可外保育施設の状況などは区市町村により様々な事情や経緯もあり、こればかりは一概に東京都がやるから全ての区市町村がやるともならないことも当然あります。


ですが、できる限り今後も、「住む区市町村により、補助額が違う」「預けている保育所の種類によって、負担する保育料が違う」と言ったような保育の格差を埋めていけるような活動を続けていきたいと思います。

現時点では来年度の保育無償化に向けて、国が出した案について区長会が反発するなど、まだまだその見通しは明るくはない状況です。今後も注視してまいります。

そして、今週都道府県議会議員研究交流大会に参加してまいりました。

議会改革や、市民への議会広報などについて、東京都議会がまだまだ取り組んでいないような各先進的な事例を学ぶいい機会になりました。

また、議会と行政が一緒になって、業務負担軽減ならぬ、業務軽減を行っていかねばならないというお話が印象的でした。

情報化社会が進み、何もかもが速くなり、仕事の量は増える一方だというのは民間も議会も行政も同じかもしれません。

では、業務そのものの精査をし、より効率的に結果を出していけるような改善を行っていけないものか、こう言った視点でも今後は東京都の予算・決算について考えていきたいと思っています。

斉藤れいな(さいとうれいな)公式サイト | 都民ファーストの会

東京都議会議員 南多摩選挙区選出 斉藤れいなの公式ホームページです。