区児相設置と、虐待についての行政課題を考える。都の条例制定に向けて各所で意見を伺っています

本日は午前中は東京都の区児相設置に向けた課題について、社会福祉協議会の児童部会が都知事や区長会に伝えられている要望を読み解く形で関係者の皆様からご説明をいただきました。都内乳児院や児童養護施設の施設長の皆様、大変お忙しいところをお時間をいただき、誠にありがとうございました。


この中では特に、区児相設置に向けて

予算と人員の確保の問題

予算の測り方の課題

現在東京都が行なっている「広域調整」(例えば保護した児童をどこの施設に措置するか、地元にあまり近すぎると問題があると判断される場合あえてやや遠方に措置されることもある)を、今後区児相が担っていけるのかという問題

都とそれぞれの区の情報共有の方法やシステム構築の検討に向けた課題

そもそも、現在の児童養護施設の定員数とニーズが合っているのかどうか、それが合っていない(定員以上にニーズがある)恐れがあるのにも関わらず、区の児相設置に向けた計画の基本は現在の都の児相の持つ現状数値となっているという指摘


などなど、非常に多種多様な課題や懸念をご説明いただきました。


そして、夕方からは衆議院第二会館に移動し、

「保育所内虐待〜関係者の証言から探る行政課題」の勉強会に参加しました。

こちらの講師は大阪府子供家庭サポーターの辻由紀子氏。ご自身が19歳で出産、娘さんに虐待をしてしまったという体験があり、また通信教育で大学を卒業して社会福祉士と保育士の資格を取得し、現在様々な対議員・対行政の勉強会などで年間100回以上講師を務められていらっしゃいます。


具体的な各自治体や保育所の例が出てきましたが、それについては詳細は記しません。重要なのは、今現在日本全国で「待機児童解消」の名の下に、保育需要の拡大に並行して保育所整備が進められているということ、そして各自治体で保育士不足が生じていること、また認可保育所を増やすことを最優先としている中で、不動産賃料が高値であることもあり物件確保が困難、応募事業者は減少傾向にあり事業者選定の基準が年々甘くなっているということがあります。

このような状況下、株式会社法人の新規参入が進み、中には保育の質をおざなりにしつつ急成長を遂げる企業が出てきているということが指摘されていました。


保育所に子を預ける親からすれば、保育所には基本的に感謝の念しかありません。

また、送迎以外の時間に我が子の様子を確認することは難しいため、保育所内虐待というのはまだ言葉で気持ちや状況を伝えることがうまくできない乳幼児の施設ということもあり、その状況が外部に伝わることが少なく、虐待の証拠が得られずに認定が難しいそうです。

そして、虐待について、また体罰について、保育所にはガイドラインというものがありません。これは明らかに学校教育における体罰禁止が明示されている学校教育法11条「体罰の禁止」とは異なるものです。学校教育法第11条については、これにひもづく参考事例を非常にこと細やかに文部科学省が具体例を挙げて羅列しています。どんな行為が体罰に当たるか、この参考事例を見れば非常にわかりやすく記してあります。


一方で保育士の体罰については法的な根拠を持たないため、例えば過去に保育士の虐待の疑いがあるとされた園の園長が「乳幼児には言葉が通じない、時には体罰も必要だ」という認識を公式に示したことがあるということです。


この「体罰容認論」と「体罰禁止論」は時に保育現場や児童養護の現場でも実際ぶつかり合うようです。この議論は東京都の虐待防止条例でも大きく関わってきます。


日本国内で行われた調査によると、体罰を容認する人が6割近くいるという現状があるということがわかります。

参加していた代議士の方からは、これについては今後は明らかに「これをしたらいけない」という禁止事項を羅列して記載して行かなければならないのではないか、というようなご意見も出されておりました。

辻氏からも、日本人の感覚を今こそパラダイムシフトすべき、という言葉がありましたが、体罰を「するべきと思いしている」場合と「したくないのにしてしまう」場合ではその親に対しての伝え方は異なるはずです。問題は、後者に入る、子育てに悩む保護者について、しっかりと寄り添う行政の形を作ることができるか、という点だと感じています。


国の方では、体罰防止に向けて、体罰によらない育児を推進するための啓発資料を、辻氏や関係各所の皆様が尽力されて、約半年かかって厚生労働省が作成するにいたり、現在各都道府県や特別区に配布しています。これは「愛の鞭ゼロ作戦」と題して、体罰や暴言、子供に恐怖を与えるような行為を避けるように、また親自身がSOSを出すことや、イライラをクールダウンする方法などが記載してあります。この、親自身への助言や配慮がある部分が素晴らしいと思いました。

虐待防止、予防は特に親への支援、孤立させない体制や環境作り、そして親が面している問題ー就労や経済的状況や精神的・身体的健康についてなどーがあるとしたら、その相談対応や支援が行われることが非常に重要です。東京都の条例が、実際に育児に悩む親子さんをさらに相談窓口や行政から離れさせるようなものになってしまわないようにしなければなりません。

今日の勉強会では、東京都の条例では家庭内、つまり保護者の体罰禁止のみをうたうのではなく、児童福祉や児童養護施設、また保育所やこども園などの施設で子供に関わる全ての人間(含保育士)の体罰禁止を規定すべきだ、というご意見も頂きました。非常に重要な指摘です。


条例については、明日から始まる都議会第四回定例会において、厚生委員会でこの骨子案についての質疑が行われるということです。いただいた様々なご意見は議論の俎上に載せて行きたいと思います。


引き続き、パブリックコメントも募集しております。ぜひ、皆様のご意見をお寄せください。


保育所内虐待については、大変ショッキングで私自身も今現在も子を施設に預ける身として、どのような施設であってもあってはならないことだと強く感じました。けれども親御さんたちにとっては、他に預けられる場所がないなどの理由で保育所の転園は仕事を失いかねない重要なマターとなることから、通わせている保育所を信じたい、まさかそんなことが起きているとは信じられない、信じたくないという方もいらっしゃるようです。

多くの施設では一生懸命に保育士さんたちが子供達に向き合って接してくれているものと思いますが、中には実際に問題が起きている園があるということも、しっかりと認識して今後の改善策を考えなければなりません。保育所内虐待についての相談窓口を設ける自治体が現れ始めており、これは無記名・匿名で相談できる窓口は必要ではと感じました。


保育無償化や、待機児童全入化。それに伴い、保育の質を担保する仕組みを、しっかりと作って行かねばならないということを都にも訴えて行きたいです。


斉藤れいな(さいとうれいな)公式サイト | 都民ファーストの会

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