東京五輪の食材はアニマルウェルフェア実現を。Asked "how the Tokyo Metropolitan Government is dealing with this petition?"

昨年8月に東京都知事、またオリンピックパラリンピック組織委員会に対して、10名の海外オリンピアンたちが嘆願声明を発表しました。米国のサイクリングチーム、銀メダリストのドッチィ・バウシュ(Dotsie Bausch)と、米国、カナダ、ニュージーランドなどの選手たちで、内容は2020年の東京オリンピック・パラリンピック競技大会で使用する豚肉と鶏卵について、豚肉は100%ストールフリー(妊娠豚の拘束飼育をしないこと)、鶏卵は100%ケージフリー(平飼い、放し飼い)で調達するようにと要望するものであり、同時にレガシー・フォー・アニマルズ(http://legacyforanimals.com)を立ち上げています。

過去の大会と比べてみると、例えば使用する卵については、ロンドン五輪では放し飼い以上の卵(放し飼い・オーガニック)、リオオリンピック=ケージ飼育ではない卵(平飼い・放し飼い等)、東京オリンピック=飼育方法の規定なし=バタリーケージ飼育の卵もOKとなります。

バタリーケージ飼育は、欧米、中南米、南アフリカ、韓国など世界中が廃止していっているものであり、劣悪飼育の象徴とも呼ばれることがありますが、飼養環境や面積の関係もあり、日本ではいまだにバタリーケージ飼育が主流となっています。


この問題について、昨年11月の事務事業質疑でオリパラ局に質疑した内容を海外の方にも読んでいただけるように(私のブログはそんなに波及力はないことは百も承知で、ただこの件について憂慮されている海外の方にも現状を知っていただいて今後も努力を続けていくことをお伝えしたく)、その質疑内容を日本語と英語で記載させていただきます。


【オリパラ局・選手村調達基準について】

東京2020オリンピックパラリンピック競技大会選手村内における飲食提供等業務委託事業者選定実施要綱には、業務の目的として選手の最高のパフォーマンスの発揮を飲食面から支援するということが明記されています。2020大会ビジョンでも、「全員が自己ベスト」が目的として掲げられ、組織委員会は飲食を提供する側の関係者すべてが飲食戦略に基づいた取り組みを行い、その目標を達成できるよう配慮し、選手をはじめとする各参加者が必要とするサービスレベルを確保できるよう全力を尽くすとされています。

東京都2020大会の選手村飲食提供における、この目的を達成するための都の取り組みを伺います。

(都からの答弁)

東京2020大会に向け、都も検討に加わり組織委員会が今年3月に策定した「飲食提供に係る基本戦略」では、大会において参加選手が良好なコンディションを維持でき、競技において自己ベストを発揮できる飲食提供を実現することを目標としている。

この目的を達成するため、認証取得食材の活用や食品廃棄物の抑制など持続可能性への配慮、食中毒予防や食品衛生など食品の安全確保、日本食文化の発信、食文化の多様性への配慮等に取り組むとしている。

都は、大会における食材の調達基準の対応として、取得費用が無償の東京都GAP認証制度を構築し、大会における東京産食材の活用に向けて都内農業者の認証取得を推進する。また、大会における飲食提供の安全性の確保に万全を期すため、組織委員会が取り組みを進めている、世界標準であるHACCPによる衛生管理について、会場等を所管する特別区とも連携して、必要に応じ助言、指導を行うなどの支援を行なっていく。

今後も、飲食戦略に基づいた取り組みが実現されるよう、組織委員会と連携を図りながら、取り組んでいく。


The Procurement Standard for the Athlete Village, Bureau of Olympic and Paralympic Games Tokyo 2020

Q1.In the outline of the selection of Food and Beverage Services outsourcing traders for the Olympic and Paralympic Games Tokyo 2020 (Tokyo 2020 Games), it was stated that supporting athletes’ best performance based on their diet as a key criterion. The vision of the 2020 Game also includes “Achieving Personal Best.” The Organizing Committee will make efforts to support all participants by providing food and beverage services that enable athletes participating in the Tokyo 2020 Games to maintain good condition and perform to the peak of their abilities I would like to ask how the Tokyo Metropolitan Government will achieve these goals of Food and Beverage Services at the Tokyo 2020 Games in the athlete villages.

"Basic Strategy of Food and Beverage Services" for the Tokyo 2020 Games was formulated in March, 2018 by the Organizing Committee with the participation of the Tokyo Metropolitan Government. The aim of this basic strategy is to provide Food and Beverage Services for athletes to maintain good condition and to perform at their best in the competition. In order to achieve this goal, the following issues will be taken into full consideration:

1) sustainability such as utilization of certified ingredients and prevention of food waste,

2) safety of food such as food poisoning prevention and food sanitation,

3) dissemination of Japanese food culture, and

4) diversity of food culture.

The Tokyo Metropolitan Government establishes a Tokyo GAP Certification System which is free of charge that specifies food procurement standards at the Games and promotes the use of Tokyo-made food ingredients during the Games. Also, in order to ensure food safety at the Games, the Organizing Committee is working on hygiene control based on the world standard HACCP by giving advice and support in collaboration with the special areas that control the venues. We will continue to work together with the Organizing Committee so that efforts based on Food and Beverage Strategies will be implemented.


アスリートにとってオリンピック大会は人生最高の舞台とも言われ、世界各国のトップクラスの選手たちは体調管理や健康管理のためにも高品質の栄養素を取ることを日頃から心がけている人も多く、食べ物が自らの競技のパフォーマンスに及ぼす影響にも非常に敏感なことが通例です。今年8月1日に米国サイクリングチーム、ドッチィ・バウシュを始め、米国、カナダ、ニュージーランドなどの合計9名のオリンピアンが2020大会で使用する豚肉や鶏卵について、100%ストールフリーや100%ケージフリーで調達するように嘆願する声明を公表しました。一方、公益社団法人畜産技術協会が示すアニマルウェルフェアの考え方に対応した採卵鶏の飼養管理指針によると、日本国内ではケージ方式以外の飼養方式に関する知見が少なく、現在はケージ方式が主流であること等から、構造及び飼養スペースについてはケージ方式が基本という前提でこの指針が示されていることがわかります。海外と国内の畜産技術の違いがあることも理解しつつ、各国のオリンピアンたちが大会中の飲食に対する不安を抱えて大会に臨むようなことがないよう、最低限必要と思われる選択肢を用意していただけるように、つとめて行っていただきたいということもあります。このような嘆願について、開催都市である東京都としてどのように対処をされていくか、またどのような対処を検討されているか伺います。

(都からの答弁)

畜産物の調達基準は、専門家や業界団体の様々な意見を踏まえつつ、パブリックコメントも行い、組織委員会が策定している。この畜産物の調達基準においては、嘆願の内容であるストールフリー・ケージフリーまでは求めていないが、公益社団法人 畜産技術協会が策定した飼養管理指針に照らして、アニマルウェルフェアについて適切な措置を講じることを求めており、これを満たすものとして、GLOBAL GAPまたはJGAP等による認証を受けたものなどが認められている。アニマルウェルフェアの推進を求める嘆願の内容を組織委員会と共有するとともに、都としても、関係局と連携し、GAPの認証取得を支援するなど、大会を契機としてアニマルウェルフェアが適切に推進されるよう取り組んでいく。



Q2.For the athletes, participation of the Olympic Game is the highest stage of their lives. Athletes around the world want high-quality nutrients for physical conditioning and health management as well. They are very sensitive about what they eat because that strongly influences their performance. On August 1st, 2018, a petition from nine Olympic athletes, including Dutchi Bausch from the USA Cycling team, Canada, New Zealand, etc. which requests the sourcing for pork and eggs are 100% stall-free and 100% cage-free for

the 2020 Games. On the other hand, according to the guidelines for feeding management of

egg-laying chickens corresponding to the idea of animal welfare indicated by the Japan Livestock Technology Association in Japan, a cage system is the mainstream and there is little knowledge about other breeding methods. The cage system is the standard in Japan. It is important that we consider the differences between countries in terms of domestic livestock technology, so that the athletes from different countries do not have to worry about the source of their food during the 2020 Games. I would like to ask how the Tokyo Metropolitan Government is dealing with this petition and what kinds of discussion have been on the table. The procurement standards for livestock products are formulated by the Organizing Committee based on opinions from experts and related associations, and from the public. The Organizing Committee should consider this petition for food that is stall-free and cage-free for the sake of animal welfare. To fulfill this condition, the following certification are recommended: GLOBAL GAP, JGAP, etc. In addition to sharing the contents of the petition seeking the promotion of animal welfare with the Organizing Committee, as well as assisting the capital acquisition of GAP in cooperation with related departments, animal welfare should be promoted as a goal of the 2020 Games.

今回東京都からの答弁はあくまでもこの嘆願について組織委員会に共有し、東京都の管理飼養方針に照らし合わせてGAP、JGAPの認証取得を支援するなど、アニマルウェルフェアを推進していくというものですが、この管理飼養方針がそもそも国内では例えばケージフリーやストールフリーを求めていないという点や、GAPやJGAP、またGAP取得チャレンジシステムの特に後ろの二つはアニマルウェルフェアの項目が少なくこの件における実効性に乏しいという指摘もなされている点が未だ懸念されてしまい、幾度となくやりとりをした結果の都からの返答は決して満足のいく内容ではなかったということについて、自分の力不足を強く感じています。


アニマルウェルフェアの観点から論じられるポイントは他にも屠畜のあり方などもありますが、今回選手たちが声明に出している二点については、世界でも決して最先端の珍しい手法というわけではなく、むしろ現在、世界中の企業が鶏のケージフリーと豚のストールフリーを宣言している状態ともなっており、いわばアニマルウェルフェアの世界基準、常識とも呼べるほどのものです。世界のトップ2のレストランチェーンであるスターバックスは去る12月に、日本を含め世界の直営店で2020年までに100%ケージフリー卵を調達し、鶏をケージに閉じ込めた生産を中止することを発表しました。


2020年のオリンピックパラリンピック大会が、正のレガシーを残していけるものとなるよう、残る限られた時間で最大限の努力をしてゆかねばならないと感じています。

今日のブログは、そのレガシーの中でも、飲食調達におけるアニマルウェルフェアについて書かせていただきました。

選手村で生じると言われている食品ロス抑制(もしくは必然的に出てしまうとされる食品ロスへの対策)についても、また改めて書いてみたいと思います。

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