学校現場に法の専門家のサポートを。野田市で起きた児童虐待死を二度と繰り返してはいけない

千葉県野田市で起きた実父による少女のいたましい虐待死事件は、子を育てる父母のみならず、学校現場、児童擁護に従事するすべての人、地域で子供達を見守る方々、これから子供を保とうとする若い世代、また都庁や都議会にも大変な衝撃を与えています。


いくつも救えたかもしれない瞬間があり、いくつも見落とされてしまったやりとりの穴があったということが報道によっても明らかになっていますが、同様の案件や同類の案件が東京都でも起きていないか、関係各所に聞き取りも進めています。


児童相談所が今年に入ってから本人確認を行えていなかったことや、父親が書かせた虚偽の報告書で保護を解いてしまっていたことも大変重大な問題です。慢性的な人員不足に加え、本人の書いた書類と本心の乖離とその背景、理由について気づくことのできる職員がいなかったことが問題であり、対応のガイドラインに沿って児童を援助するとしていても、今回のように児童本人の本当の訴えを見誤ってしまっては元も子もありません。


また野田市の件では、教育委員会が実父の求めに応じて児童の書いたアンケートを渡してしまっていたということが明らかになっていますが、これについては児童福祉に関わった経験のある者であれば「ありえない」と判断ができるようですが、教育委員会や教育従事者の職務やその立ち位置の難しさについても課題として見えてきたことがあると考えています。


会派の中でも議論して感じることは、学校現場の教員や職員には、時に保護者対応から法的な措置対応へと困難な業務を行わねばならないところが多々あり、今後、専門である教育を飛び抜けた業務を担える人材が学校現場をサポートしていくことが必要ではないだろうかという点です。


児童の生命の安全を確保するために、児童福祉法に則り児童を保護するのは福祉職員の仕事です。行政でいうと福祉保健局、児童相談所がこれにあたります。この業務には親権者である保護者から児童を一時的に保護するという大変重大な項目も含んでいることから、児童相談所には法的な観点から日常的にアドバイスを行うことができる弁護士がいることが望ましいとされ、特に常勤の弁護士がいるという必要性については現在厚生労働省の社会保障審議会のワーキンググループでも議論されている状態です。親権者から法的に訴えられるかもしれない、そのリスクも受け止めた上で児童の安全、最善の児童福祉の遂行のために児童を保護する機能を児童相談所は保護者にも対峙して時に行使する必要があります。


一方で、学校の教員や教育委員会は教育のプロであり、児童福祉の専門家ではありません。様々な聞き取りを行うと、多様なケースで保護者間のトラブル、または保護者が学校や教師・職員を訴えるような例も少なくないことがわかります。

現在学校の先生方の在校時間は週に60時間超となっているいわゆる過労死ラインを超えている方が小学校では37%、中学校では68%いるという現状がありながら、教員や職員の業務にある「保護者対応・法的な措置への対応」が大変な負担を強いているという現状があるのです。

負担を強いているのみではありません。

そもそも教員や教育委員会には法的な対応の専門性がないため、このような場合に対応をすることはできません。相談をする窓口が必要です。


学校は、この先、他にも多様な役割を担うことが期待されています。

例えば東京都では昨年12月教育委員会会議で地域の高齢者を学校現場で人材活用していくという検討を始めています。また、教員OBを活用した部活動指導などにより、現職教員の負担軽減策も具現化されてゆく予定です。

さらに、スクールサポートスタッフやスクールカウンセラーの外部人材も加わり、今子供達を取り巻く様々な家庭の問題、人間関係の問題、健康や安全の問題も含めて、教員や専門人材、地域人材に「チーム学校」としてオール社会で、学校現場の子どもたちが直面している様々な問題に関わってもらわなければいけない状況です。


東京都では来年度、新財団を設立するという予定で、新年度予算にもその内容が記載されています。学校をサポートする多角的支援機関と銘打ち、教員には教えることに集中してもらおうとする目的です。

このうち、学校の教員サポート機能として、専門外の懸案事項の相談窓口を新設するとされている部分が、法的な専門的サポートを行ういわゆるスクールロイヤー、学校弁護士の機能を担う部分になると考えられます。

新年度はまずはこの実現に向けての検討段階であり、実際の学校現場での弁護士等の活用ニーズについてはまずは要調査と検討とされていますが、ぜひ教育従事者たちに法的なサポートが実現するように、こちらの新財団の取り組みに期待していきたいと思います。




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