自閉スペクトラム症のお子さんには、世界はどんな風に見えている?東京大学ニューロインテリジェンス国際研究機構に視察に伺いました

東京みらいの会派で東京大学ニューロインテリジェンス国際研究機構に視察と意見交換に伺いました。


自閉スペクトラム症のお子さんにとって、世界がどのような風に見えているか、またどのように聞こえることがあるか、ご説明やシミュレータを使った疑似体験も行わせていただきました。

シミュレータを使って各所に講演会等で飛び回っておられる長井博士は、研究の現在地や自閉スペクトラム症以外の症状についてのシミュレータの有無についても教えてくださいました。


こちら、使ってみるととても「普段の光景」が「特別眩しい」「光の点が多く入る」などの特徴を持って変わって目に入ってくることがわかります。

また、シミュレータではありませんが自閉スペクトラム症のお子さんの聴覚の聴こえ方の再現をした音声なども聞かせていただきました。

自閉スペクトラム症は100人に1人が当事者とも言われ、発達障害の一つとされています。

これまで自閉症スペクトラム障害、などと表記されることもありましたが、そもそもその呼称がこの症状を持つ人の本質を表していないことが最近では指摘され、現在は自閉スペクトラム症、と呼ばれているようです。


呼称の経緯についてはLITALICOのサイトが大変詳しく説明してくださっています。

自閉症、というと本人の「コミュニケーション能力に定型の人との違いや差がある」と思われがちですが、そもそもコミュニケーション以前の「知覚の違い」が大きく症状に影響を与えているということや、視覚・聴覚・触覚それぞれの感覚がそもそも異なるために普段の生活の中で当事者たちは大変過酷な環境にさらされていることなどを長井博士から伺いました。


自閉スペクトラム症の当事者は周囲の無理解などによって鬱などの二次障害を引き起こすことも多い、ということで、まずはこの当事者たちがさらされている感覚知覚的な状況を教育現場の皆さんをはじめとして多くの人たちに知ってもらうことが大切、と永井博士は力を込めます。


そして、この知覚の過敏な状況は主に環境に起因するため、例えば視覚において過敏な症状を持つ当事者には日中外に出るときや窓際の席の近くではサングラスをつけることを促してあげる、などの配慮をすることで外部の環境と知覚のズレから生じる苦しさを和らげることができます。


以前文教委員会でも発達障害などの生徒さんを受け入れる特別支援教室を小中学校全校で配置していくにあたり、特に教員研修や人材育成に重点をおいて生徒支援を行なって欲しいことを伝えましたが、実際には特別支援教育のスペシャリストは都内にもその数が足りていないのが現実と伺っています。特別支援学校で働く先生方の中にも、特別支援学校教諭免許をお持ちでない方も多いのが現状です。

特別支援教室を設置すればいいのではなく、そこでどんな環境を作り、そうして得た生徒支援の方法をどう普通教室へも広げてゆくか、が重要です。


私の元に日々いただく都民の方からの相談で、教育関係学校関係のものは大変多くなっています。

学校によって、地域によっての差もあり、また担当する先生によっても状況が違うこともあり、生徒さんに適切に対応できる余裕や経験のある教職員のかたが各所に増えていくよう、人材育成が急務と感じています。


こちらも都議会に持ち帰り、議論と調査を重ねてゆきたいと思います。