新たな病院運営改革ビジョン(素案)について、東京都が意見を募集しています!
昨年12月、知事の所信表明にて東京都の都立・公社病院の一体的な独立行政法人への移行が発表され、これに呼応する形で東京都から新たな病院運営改革ビジョンの素案が年末に公開されています。
東京都立病院を取り巻く現状や、直面する課題、
またこれから先に想定されるふさわしいと思われる新たな経営形態についてや具体的な運営に向けた展開についても各章ごとにまとめられています。
都立病院を語る上で、欠かせないのが「行政的医療」の安定的提供を行ってゆくという役割です。
都立病院は規模としては、都内の総病床数の約4%に過ぎません。
そのほかは民間・私立の医療機関やクリニックも含め、東京都内には数多くの医療施設が点在しています。
そんな中、都立病院は一般の医療機関では対応困難な医療に取り組んできています。
例えば、災害医療や救命救急医療。
周産期医療では母体搬送の受け入れ数は都内全体の22.7%が都立病院で受け入れられています。
感染症医療では、都内全体の33.9%。
小児救急医療のこども救命受け入れ数では、全体の38.9%。
こういった、都立病院がこれまで培ってきた医療機能や医療資源があるからこそ担うことができる専門的な医療分野、他の一般的な医療機関では困難とされるけれども法令や社会的要請に基づき対応が求められる医療や、新たに先導的に取り組むべきとされる医療(アレルギー対策や精神科特殊医療など)を行政的医療と呼びます。
安定的に行政的医療を提供していくべきであるのに、運営形態が今の都立直営のままでは、
医療ニーズの多様化に対応できる体制が不十分であることや
柔軟な人材確保に向けて課題があること
地域医療との人材交流や研究機関との人材交流に制約があること
などを始め、課題があるという指摘はこれまでの委員会で私からも申し上げて参りましたが、予てから都立病院はその運営のあり方を抜本的に見直さなければならないとされ、私が厚生委員となる前から、その検討の進捗や内容について活発に質疑が行われてきていました。
都立病院を単に経営の面からだけ論じてはいけないことは確かであり、本質的にはさらにその持続可能性の面や医療サービスの質の面でも引き続き論じていくべきと考えています。
今回、都立病院に加えて全ての公社病院も独法化の対象とされたこともあり、2020年の第一回定例会厚生委員会でも様々な議論が交わされそうです。
東京都の意見募集は、第一回定例会が開催される前の週の2月7日までが期限です。
ぜひ、様々なご意見をお寄せいただければと思います。
0コメント