感染拡大を止めるためには全ての施設に更なる積極的検査が必要。

本日、東京都で第35回新型コロナウイルス感染症対策本部が開かれました。

日々新規陽性者が増えている状況ですが、東京都の対策は果たしてどのような根拠に基づいて進められているものなのか、委員会質疑や会派での討論作成を通じて感じていることを記しておきます。


まず、東京都や知事は現在国に対し、罰則規定なども盛り込み実効性を上げられるように特措法の改正を要望しています。

現在、東京都知事が「外出自粛」を要請した場合や、事業者に「休業」「時短営業」を要請した場合でも、あくまでもお願いベースであり強制力はありません。つまり、それに従わなかった場合の罰則の規定はなく、知事の要請に実効性を持たせるためにも、都民が足並みを揃えて感染防止対策を取っていくことができるようになるためにも、特措法の改正が必要とされているところですが、現在国会は休会中で法改正の審議は行われていない状況です。


その中、都として取れる対応策として本日出てきたのが、①高齢者施設等への積極的検査の実施、②事業者や都民にガイドラインの遵守を求める条例、③飲食店やカラオケ店への時短営業要請+協力金20万円の提案です。


①の「積極的検査」とは、例えば施設の利用者や職員に感染者が出た場合に、疫学調査で指定される濃厚接触者に限らず「施設関係者全てにPCR検査を実施」し、現在無症状の感染者も含め感染者を早期に捉え、その先への感染拡大を防止するものです。


これは、従来の濃厚接触者のみの検査を主として行った場合、「濃厚接触者ではないため検査をしない無症状の感染疑い者」が、検査するかどうかは「自己判断」とされてしまうことから、1人2万円程度とされる自費での検査を受ける疑い者は一部分にとどまり、結果として感染拡大を防止することができないと言うことから、非常に重要です。保健所経由で行う「行政検査」と、民間医療機関等で行う「自費による検査」では同じ1万人の検査を行うにも公費負担の違いはもちろんありますが、今は何より限られた予算をこの検査・感染者追跡に費やすべきだと考えています。希望者に自費で検査を行っていただくのではなく、公費で広く早急に検査を進めていく必要があります。


今日の本部会議では、今の検査体制では予防のための検査ができていないという発言も出ていたようです。


私たちも4月ごろから、東京都への要望を繰り返す中で、検査体制の強化に加え、例えば児童養護施設や乳児院などの24時間入所の施設は職員に疑い者が出た場合の運営継続が大変難しいこと(例えば数名が疑いのまま14日間休ませることになると、他の職員らで24時間運営を続けることが大変厳しい)から、入所施設を初め、また学校再開や保育園再開などもあり5月以降は学校や保育園でも積極的検査を実施していくべきであると言うことを繰り返し要望をしてきました。

今日の発表では重症化のリスクが高い高齢者施設の積極的検査を行うと言うことですが、これだけでは十分ではありません。

ニューヨークやドイツ某都市では感染者が出た場合、1に検査2に検査、その感染者の生活圏の中の利用施設のみならず、地域住民までも全て検査をすると言う徹底ぶりです。

重症化のリスクは低くとも、高齢者施設以外の施設での積極的検査を行っていかなければ、ウイルスを人づたいに運んで行ってしまう無症状感染者の増加を食い止めることはできません。(また、前回ブログでトレーサーの必要性を訴えた討論について記しました。積極的検査に加え、感染者の追跡を行う民間人材の活用を提言しています。)


さらに、現時点で新規感染者の4分の1ほどが家庭内での感染からの感染者であるとされています。

すでに出ている都内の各施設のクラスターも、施設内での感染よりも当初は家庭内での感染や施設外会食等での感染も多く確認されていることもあり、「施設でいかにガイドラインに沿って感染防止対策を行ったとしても、完全に感染を防止することができない」ことは日本小児科学会などの提言からも明らかです。



現時点で東京都の1日の検査件数は最大8600件。10月までに1日1万件を目指しています。

ですが、実際には全ての施設に積極的な検査を行っていくには、これでは足りないと言わざるを得ません。ニューヨークは現在すでに1日7万件の検査が可能です。

東京都ではPCR検査の強化への補助を行なっていますが、その速度にやや限りがあり、現在可能な抗原検査との使い分けも行いながら検査を徹底的に行なっていくこと、また感染者のその後の就労や生活に制限を設けることに法律上の根拠が持てるよう法改正を行うこと、これが何よりも早期に必要です。


また、本日発表の対策の②と③について。東京都は第一波における4月以降の休業要請等について、効果の検証などを行なってきておりません。酒類の提供を行う飲食店およびカラオケ店への営業時間の短縮等が一体どれほどの感染防止への効果につながるのか、これについては先の厚生委員会で質問をしても答えが得られていない、東京都においてはどこも検証を行ってきていないと言うことが明らかになった中で、次なるの営業時間短縮要請や協力金支給が議会にかけられることなく専決で処分されるということには問題があると言わざるを得ません。


さらに言えば、施設でのクラスターが家庭内感染等での感染を由来とする事例も多いという指摘もあります。先ほどあげた日本小児科学会の提言にもあるように、施設でいかにガイドラインを遵守しようとも、アクリル板設置やマスク着用、検温などの対策を徹底しようとも、そういった施設におけるクラスターはすでに都内で生じています。


事業者へガイドラインを遵守していただくということは確かに重要なことではありますがそれが十分で最適な解決策とは言い難い部分があり、にもかかわらずこのガイドライン遵守を促すために条例を改正したということはいかにもパフォーマンス先行ととられてしまいかねないとも感じている次第です。

空気を変えることが目的の条例改正かもしれませんが、条例改正では空気は変えることはできないと感じています。

虐待防止条例も、差別解消条例も都民の空気を変えることに成功したとは言えない部分があります。条例に求められる真の効果とは本来啓発ではなく、それをもって行政や都民の行動変容を促していくことができるほどの実効性ではないでしょうか。


専決処分となりますと、議会ではこの件を審議することができません。

私たちからも議会が開かれていない時期も引き続き、東京都へ必要な施策を適切に行なっていただきたい旨を要望して行きたいと思います。


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